6178コロンビアのストライキ:抗議活動が平和的なのはなぜか?そしてFARCとの平和協定)(191205)
2週間以上前、コロンビア人は過去40年間で最も広範・大規模な中央政府に対する抗議ために街頭に出たが、最も驚かせたのは、約800万人の犠牲者を残した過去50年間の内戦に陥った国で、ほとんどの要求が平和的に展開されたことである。
政府は、この抗議活動で4人の死者と数百万ドルの経済的損失をもたらしたとするが、アナリストの一致した見方では、11月21日に始まったデモのほとんどが平和的であり、極端に言えばお祭り騒ぎであった。 実際、5日に発表されたギャラップの調査によるれば、コロンビア人の70%がこれを支持している(同じ調査によると、イバン・ドゥケ大統領の支持は30%に達していない)。
BBCムンドが取材した専門家は、抗議の起源だけでなく、「カセロラゾ(鍋の底を叩いて行う抗議行動)」と呼ばれる行動も、2016年にコロンビア革命軍(FARC)と調印された和平協定の影響を受けていると言う。 この合意のポイントの1つは政治参加であり、このことは社会組織及び社会運動が抗議活動することを保証し、コロンビア憲法に含まれる権利であることを保証している。
「FARCによるこの暴力の濫用は、コロンビアにおける最大のリターダ(補助ブレーキ)だった。彼らは学生運動、労働組合運動を破壊した。」政府の交渉リーダーであるウンベルト・ムンド・デ・ラ・ロンバーナは説明する。
「しかし、この現象は消えた。コロンビアの政治に開かれた雰囲気が生まれ、これまでにない多くの人々の動員だけでなく、鍋を叩いて平和的に抗議する活動をも可能にした。
しかし、平和的に展開した抗議活動が、2016年に調印された協定に関係あるとは、現実的なものと考えられるのか?
抗議の大部分は11月21日に始まり、いくつかの労働組合組織が最初の動員日を決めて招集した。本来は、年金や税金などに関して政府が提案した改革に抗議することであったが、すぐに、和平協定の完全な履行、質の高い教育を受ける権利、社会的リーダーの生活を保証するなどの要求が盛り込まれた。このうち社会的リーダーについては、2019年に155人が殺害され、先住民族地域内の治安が悪化している。
また、以前の状況との最初の相違に気づき始め、市民社会の様々なレベルの代表者から芸術家や学生までが通りに現れ始めた。
「確かなのは、彼らがFARCとの紛争が終わった後の市民社会の主役であるということだ。その意味で、彼らは過去の活動とは非常に異っている。」政治アナリストでロス・アンデス大学の教授であるサンドラ・ボルダ・グズマンはBBC Mundoに語る。
サンドラにとって、コロンビアのこれまでの数十年間、社会的抗議は常に非難され、「急進的で左翼者が市民社会に侵入し、その活動を戦闘手段として使用したと見なされていた。」
「それが、ゲリラ活動だと呼ばれることを望まなかったため、人々は長い間、外に出なかった。」
「今日は様子が違っている。行進しようとする人々は、はるかに多様です。左寄りの人々だけでなく、中道の人々も多く、そして何よりも抗議参加者には多くの一般市民もいます。過去よりも安穏な方法だ。」と彼女は指摘した。
彼女が重要で斬新だとするのは、コロンビア人が互いに通信し、アイデアを広めるための新しい方法(ソーシャル・ネットワーク)を見つけ出しているということである。
「これはいままでになかった。以前は参加していなかった社会の部門が加わり、抗議活動を文化的なイベントに変えてしまった。たとえば、フィルハーモニーオーケストラのメンバーが抗議活動をサポートするために出てきた。創造的な人々の参加口調だ」
「コロンビア社会は新しいコミュニケーション方法を学んでいる。まだ多くの怒りと欲求不満もあるが、この活動では、誰もが理解できる方法で要求内容を決定する方法を発見した 」とボルダは結論付けた。
確かにすべてが平和的で和解的であるというわけではなく、首都ボゴタ市は、11月21日の夜、夜間外出禁止令の宣言を余儀なくされた深刻な過剰行為と破壊行為があった。
コロンビアの南西部、カリ市でも同様のことが起こり、政府の建物や商業施設が被害を受けた。
FENALCO(コロンビア商業連盟)によると、破壊行為と抗議活動によって約4億米ドルの経済損失をもたらした。
BBC Mundo 2019/12/5: Paro en Colombia: por qué han sido tan pacíficas las protestas (y qué tiene que ver el acuerdo de paz firmado con las FARC)
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