6183エル・サルバドルのブケレ大統領が中国を訪問(191204)(その1)

 わずか2年前、エルサルバドルは中国と外交関係がなく、ラテンアメリカにおける台湾の主要な同盟国の1つであった。  今週、習近平国家主席は、6日間の訪問のために北京に到着したサルバドル大統領のナイブ・ブケレ大統領を迎えレッドカーペット外交を展開した。

 3日、両首脳は異なる分野における一連の協定に署名し、ブケレは、中国が「巨大な償還不要の協力」を自国に認めたと発表した。

 この援助は、「近代的で大容量のスタジアム、高層の国立図書館、下水の半分を処理可能な大浄水場の建設に貢献する。」

 また、観光地のインフラストラクチャへの投資やラ・リベルタッド港の桟橋の修復と拡張も含まれている。エル・サルバドルは、中国の新たなシルクロード計画に関与することも発表された。

 ブケレ大統領は、この中国の協力がどの程度になるかを明らかにしなかった。

 しかし、彼の訪問の重要性はこれらの援助をはるかに超えており、エルサルバドルの米国との関係だけでなく、ワシントンと北京がラテンアメリカでより大きな影響力を持つために維持している影響力にも係わっている。

 これはブケレの中国への最初の公式訪問であり、2018年8月にサルバドール・サンチェス・セレン率いる当時の左翼FMLN政府が北京との関係を確立し、台北との歴史的関係を破棄することを決定して以来、国家元首によって行われた2回目の北京訪問である。

 それまで、 エル・サルバドルは、台湾を公式に承認した世界18カ国のうちの1つであった。

 当時の大統領サンチェス・セレンは、その年の11月に中国を訪問したが、その党は、昨年2月の大統領選挙で敗れ、ブケレが勝利した。

 新大統領は中国との新しい関係を維持することを疑問視し、アジアの巨大勢力に批判的ではあった。

 こうした文脈において、ブケレの北京訪問の意味は何であるのか?

「これは非常に重要だ。「1つの中国」政策に対するエルサルバドルの立場と北京への支持を裏付けるものになる。」米州対話研究センターのアジア・ラ米担当部長、マーガレット・マイヤーズは説明する。

「ワシントンでは、ブケレ政権に圧力をかけて、中国接近を覆すことの可能性が取り沙汰されたが、これが不可能なことは明らかだ。」

 両首脳は、中国とその台湾政策に対するエルサルバドルのコミットメントを再確認する声明を発表した。

 上記政策は、中国本土と台湾の島との「平和的な統一」を目指すものである。

(BBC Mundo 2019/12/4 Bukele visita China: el histórico acercamiento de El Salvador a Pekín y la "gigantesca cooperación" que recibe a cambio)

ラテンアメリカから見た世界と日本

2004年9月から2012年2月までの約7年半の期間、「ラテンアメリカから見ると」のタイトルでブログを維持していましたが、力を入れすぎて目が痛くなり、撤退しました(通巻6175号)。  スペイン語の勉強を再開したこともあって、ブログも再開しました。

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