6185エルサルバドルのブケレ大統領が中国を訪問(191204)(その2)

 ブケレの中国訪問と彼が署名した協定は、中米に対するドナルド・トランプ政権の政策を厳しく批判する米国下院の外交委員長、民主党のエリオット・エンゲルの主張に足場を与える。

「トランプ大統領が中米北方三角形(グアテマラ、ホンジュラス、エル・サルバドル)への援助を切り捨て、同盟国を放棄した結果、中国が米国の指導部によって作られた空白を埋めるために一歩前進したことは驚くべきことではない。」エンゲルは3日に公開されたツイートで述べた。

 しかしマイヤーズは、この結果が米国の完全な後退を意味するものではないと考えている。

「それは、米国がエル・サルバドルにかけている圧力によって、エル・サルバドルと中国との関係は、当初の計画から実質的に後退していると考えるからである。」と、上記対話センターの専門家は説明する。

 マイヤーズは、サンチェス・セレン政権下で発表された二国間協定には、ワシントンが心配した、エル・サルバドル領土の重要な部分を占める大規模な経済開発区の創設とラ・ユニオン港の改修が含まれていたと説明している。これらは中国によって軍事的目的に使用されるかもしれないものであった。

 「ここで注目に値するのは、今回の合意では、FMLNが率いる前政府によって1年前に交渉された合意とは大きく異るように見えることだ。」彼は言う。

 マイヤーズによると、新しい計画は開発援助に近いもので、経済変革を意味するものではないが、同国の人々にとって有用・重要なものであると指摘している。

「 エル・サルバドルとブケレは、中国とのこの関係を維持する間、米国を沈静しようとしている。」とマイヤーズ。

 この専門家は、エル・サルバドル大統領は、ある種のバランスに達成しているようであり、中国へのこのアプローチに対する米国からの否定的な反応があるとは思わないと付け加えた。

「トランプ政権は中米と中国の関係に満足していないが、今回の合意は以前のもの合意よりも望ましい。」と彼は言う。

 彼の分析は、米国国務長官マイク・ポンペオが取った立場によって裏打ちされている。

「中国の略奪的行為は、中米諸国にとって魅力的な合意に導くことができるが、最終的には国民にとっても、その国にとっても悪いことだと友人たちに語った。」と彼はルイビル大学(ケンタッキー州)での月曜日の講演で語った。

 それにもかかわらず、この高官は、ワシントンがサン・サルバドルと北京の関係に干渉する意志がないことを暗示した。

「我々は、彼らが中国共産党とビジネスをすることを妨げようとはしていない。」とポンペオ。

 2つの大国間でBukeleのジャグリング・ゲームが機能しているようである。少なくとも今のところ。

(BBC Mundo 2019/12/4 Bukele visita China: el histórico acercamiento de El Salvador a Pekín y la "gigantesca cooperación" que recibe a cambio)

ラテンアメリカから見た世界と日本

2004年9月から2012年2月までの約7年半の期間、「ラテンアメリカから見ると」のタイトルでブログを維持していましたが、力を入れすぎて目が痛くなり、撤退しました(通巻6175号)。  スペイン語の勉強を再開したこともあって、ブログも再開しました。

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