6181AMLO、最初の年、新たな統治(La Jornada2019/12/2社説)

 昨日政権一周年を迎えたメキシコのアンドレス・マヌエル・ロペス・オブラドール(AMLO)大統領は、「第四変革の政権」の意味を緊急に取りまとめる必要があると述べた。さらに、彼のこれまでの3度の大統領選挙キャンペーンを通じて形成した国家変革は、空虚な約束ではなかった、また過去12か月で、公権力は腐敗との戦い、緊縮を通じて、前例のないそして顕著に再構築したと指摘した(以下は、大統領の演説の要旨)。

 実質的な再配分を基本として、一般予算の再構築が行われた。 前政権のいわゆる「教育改革」は覆され、エネルギー政策はPemex、連邦電力委員会に関する政策転換、外交政策では、新自由主義的な前政権による外交からの転換、歴史的な外交原則の回復に方向を変えた。さらに、連邦政府はこの最初の年に、社会運動に対して抑圧的な措置を適用しないという公約を果たし、彼らの声に耳を傾けたが、これは過去半世紀にどの大統領も行っていなかったことである。

 他方で現政権は、国民経済を4%成長させるとの公約を実現できていない。この一年、大きく落ち込まないとしても、停滞が明確な状況である。

 しかし、この政府が最も心配する事態は、犯罪、暴力を止められないことであり、前政権の6年間で発生した現象ではあるが、社会にとっても苛立たしいものである。

 これまで、犯罪とその根底にある貧困、失業、疎外、教育と保健システムの悪化などと戦うロペスオブラドリズムの賭けは、犯罪率の顕著な減少につながっていない。一方、政府の戦闘的戦略の放棄は、過去12年に増殖した犯罪組織が巨大な力を発揮する任せ、短期的にはこれをとどめる手だては見えない状態にある。

 昨日ソカロで見られたように、ラサロ・カルデナス政権以来、大統領が着手した変革が前例のない社会的支援を得ていることを無視してはならない。

 しかしこの変革が社会の上位及び中位部門で混乱と苛立ちを生み出していることを見逃してはならない。いずれにせよ、昨年7月1日の選挙で敗北した政治勢力は、少数派の不満を取り込めず、「第4変革」の国家戦略に代わる提案をほとんど構築していない。

 最後に大統領は、この政権の最初の年の進展は、同時にそのエラーとミス・ステップとともにあったが、この国のこれまでの変化は、単なる政権交代よりもはるかに深いものであると締めくくった。

(La Jornada:Editorial2019/12/2:AMLO: primer año y nuevo régimen)

ラテンアメリカから見た世界と日本

2004年9月から2012年2月までの約7年半の期間、「ラテンアメリカから見ると」のタイトルでブログを維持していましたが、力を入れすぎて目が痛くなり、撤退しました(通巻6175号)。  スペイン語の勉強を再開したこともあって、ブログも再開しました。

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