6190チリ下院、ピニェラの解任決議を否決(191213)

 チリ下院は、セバスチャンピニェラ大統領の解任を求める憲法上の告発を否決した。

 12日木曜日立法府は、大統領に対する非難が憲法によって定められた要件を満たしていないことから、効力なしとの判断を下した。

 この要求は、10月以降チリにおける抗議の波の間に対する人権侵害の疑いに、ピニェラが政治的責任を負っていることを主張するものであった。

 賛成79票、反対73票で、チリ議会は11月19日に提出された案件は「関与なし 」とする決定をしたが、野党議員グループによる提案の内容は議論さえされなかった。

 ピニェラはこの結果について発言していないが、提案があった際には「提案には基礎がない」とみなし、「国が今日必要としているのは平和、団結であり、問題に対する合意と解決策だ。」と発言した。

 11日水曜日、チリ上院はアンドレス・チャドウィック内相に対する憲法上の告発を承認した。同内相は抗議活動が始まってから10日後に解任されている。

 議会は、チリ大統領のいとこであるチャドウィックの政治的責任を認め、彼が5年間公職に就くことを不可とする措置を講じた。

 ピニェラに対する今回の動きは、チリの歴史上、現職大統領に対しては2回目であった。

前例としては唯一、1956年にカルロス・イバニェス・デル・カンポに対する告発があるが、これも成立しなかった。

BBCMundoの以前の取材で、ロンドンのクイーン・メアリー大学の准教授ハビエル・サフリアは、チリでこの制度が一般的でない理由を説明する。

「チリにはスーパー・プレジデント制度があるため、大統領の権限は非常に強く、これに対する対抗手段はあまりない、したがって任期終了前に辞任することはまずない。」

「憲法上の告発は核兵器のようなもので、殺すか死ぬかのいずれかである。大統領の解任は、5年間公職に就くことを不可能にするからだ。」

 チリは、10月18日に一連の大規模な平和的な行進と深刻な暴力事件が発生した後、過去30年間で最大の政治的・社会的危機を経験している。

 これまでのところ、少なくとも24人が死亡し、数千人が負傷したが、殺害された人のうち5人は、法執行機関の抑圧的な行動に起因している。

 抗議を封じ込めるための抑圧的行動と人権侵害の疑いに関し、何百もの抗議が国家機関に降りかかっている。

 アムネスティ・インターナショナルは11月に報告書を発行し、ピニェラの指揮下にある治安部隊は「広範囲に及ぶ攻撃を行っており、不必要かつ過度に武力を行使して、国民を傷つけ、罰しようとしている。」と発表した。

 さらに、この人権組織は、その行動が「一人のパトロン」に応えようとしているように見えるとしたが、これはチリ政府によって否定された。

 しかし、政府高官は虐待が行われたことを認めた。

「場合によっては、治安維持のための武力行使の手順に従わなかったことがある。」「過剰な虐待が行われた。」とピニェラは認めた。

「これはすべて検察庁によって調査されており、司法裁判所によって判断されるだろう。これが民主主義、法の支配の仕組みである。」大統領は外国報道機関との会談で述べた。

(BBC Mundo2019/12/13:Protestas en Chile: la Cámara de Diputados rechaza la acusación constitucional contra Sebastián Piñera que buscaba su destitución)

ラテンアメリカから見た世界と日本

2004年9月から2012年2月までの約7年半の期間、「ラテンアメリカから見ると」のタイトルでブログを維持していましたが、力を入れすぎて目が痛くなり、撤退しました(通巻6175号)。  スペイン語の勉強を再開したこともあって、ブログも再開しました。

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