6197アルゼンチン、クリスティーナ・キルチネルの権力は?(191209)(その3/4)

アルゼンチン、クリスティーナ・キルチネルの権力は?(191209)(その3/4)

 アルベルト・フェルナンデスは、イランとの覚書に疑問は呈しているが、それは司法が判断すべきではない政治的問題であることを明確にしている。また、腐敗追及に関しては、副大統領とを強固に擁護している。

 5月彼は、クリスティーナに大統領候補者として指名された直後、彼女に対する裁判を進めた2人の裁判官を批判した。また、「 近年出された多くの判決を再検討する必要がある。」とも述べた。

 これは、2015年以降にクリスティーナ・キルチネル大統領の公務員に対して行われた多数の裁判に言及したもの。

 彼らの多くは公判前の拘禁の下で逮捕された。これは弁護士であり法学の教授であるフェルナンデスが強く批判した措置である。

 また多くの人々が、政治家を拘束するための公判前拘禁を「恣意的」であると非難したが、この中にはアルゼンチン出身のフランシスコ教皇がいる。

 就任の数週前、次期大統領は彼女に対する告発について、より直接的に言及した。

 11月初旬に、ある大学で開かれた会合で、彼は前大統領と同様の法的問題に直面しているラテンアメリカの「進歩的な」リーダーに言及した。

「エクアドルのラファエル・コレア、ブラジルのルラ・ダ・シルバ、アルゼンチンのクリスティーナ、すべてが支持の高いリーダーを迫害するために作り上げた司法制度の犠牲者だ。」彼は発言した。

「コレアは亡命し、ルラは囚人となり、クリスティーナは組織的に脅迫された。」

 しかし、「クリスティーナの場合は、国民が彼女に投票し権力を与えたので、同じ事を進めることが出来なかった。」と付け加えた。

 一部のアナリストにとって、元大統領に対して誰が批判的態度をとれるかは、選出された大統領とその副大統領との間の個人的合意だとする。

 ラ・ナシオン紙の記者マルティン・ロドリゲス・ジェブラは、「クリスティーナとアルベルトの間の約束の小さな一部である「司法的救済」だと呼んだ。

 しかし、これらの主張を支持する証拠を誰も提示していないのが実際である。

 憶測を超えて具体的なことは、フェルナンデスが言及した「特権」により、前大統領との逮捕は回避されている。

 2017年以来、彼女は上院議員として特権を享受し、現在は副大統領としてそれを受けている。

 上院議員の3分の2の賛成によってのみ、特権剥奪が可能であるが、選挙後にペロニズムがで過半数になった。

 BBC Mundoが取材した 裁判事件に関する専門家のほとんどは、「引き延ばしあるいはお蔵入りになる可能性が高いと考えている。

 過去の知事の腐敗に係わる時間は、引き延ばされ、時効となっているのがほとんどである。

BBC Mundo:Asume Alberto Fernandez en Argentina:¿Qué poder tendrá Cristina Kirchner?(2019/12/9)

ラテンアメリカから見た世界と日本

2004年9月から2012年2月までの約7年半の期間、「ラテンアメリカから見ると」のタイトルでブログを維持していましたが、力を入れすぎて目が痛くなり、撤退しました(通巻6175号)。  スペイン語の勉強を再開したこともあって、ブログも再開しました。

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